第39話 邪悪の光

監   督 根本 実樹
脚   本 大西 信介
特技監督 佐川 和夫
怪   獣 カオスウルトラマン

 うーん、結構難しいぞー。いや、面白いんですよ。久々に「ウルトラマン」としての面白さ、そう、純粋に敵と戦うっていうウルトラマンを見せてもらったような気がします。テンポもいいですから、ハラハラドキドキとしっぱなし。いやぁ、やればできるじゃないですか。

 とはいえ、ツッコミポイントはそれなりにあります。まずは、EYESの作戦から。今週も例によって甘いですなぁ。コスモスとカオスウルトラマンが戦ってる最中、テックスピナーに乗ってるフブキ(市瀬秀和)は一体何してたんでしょ。フブキはコスモスに出会ってから変わったんでしょ。せっかく飛び道具に乗ってるんだから、コスモスの援護くらいしろよ・・・あぁ、テスト中だから、武器は積んでなかったのか。いやぁ、それならそれで、他のメンバーも司令室でぼんやり見てないで、コスモスの援護に出て行けよ。そんなことだから、防衛軍が指揮下に入れたいって言うんだと思うぞ。
 ムサシ(杉浦太陽)が囮になるってのもなぁ。ムサシを囮にするっていう作戦は、ムサシが狙われていると認識して初めて成り立つ作戦ですよね。ところが、何でムサシが狙われてるのか疑問にも思っていない。ムサシが狙われてると思ったら、囮にするよりも、その理由を調べるほうが先だと思うんですけど。もっとも、しっかり調べちゃうと、ムサシ=コスモスってわかっちゃうから、脚本上調べるわけにはいかないんですけどね。
 ムサシといえば、狙われてるって知ってるのに、カオスヘッダーを追うフブキを追ってテックサンダーで出動・・・ぉぃぉぃ、君は学習能力ってのがないのか? フブキに「深追いは危険だ」ってなことを言いつつ、わざわざ襲われに行っちゃってるんだからなぁ。
 逆に、カオスヘッダーの不自然な動きに気がついたアヤノ(鈴木繭菓)のほうは、最近なかなかカッコいいですねぇ。そりゃいつまでも、子供子供してるわけにもいかんもんね。

 もうひとつのツッコミは、いわゆる「ニセウルトラマン」。なんか、「ウルトラマン」になくてはならないキャラクターって感じになっちゃってきてますが、私としては実は安易に使って欲しくないネタのひとつです。だって、使い方、出し方を間違っちゃうと、「ニセウルトラマン」を出すことが目的になってしまって、ストーリーの中での必然性がなくなってしまうかもしれませんからね。
 そういう目で今回の「カオスウルトラマン」を見ると・・・微妙ですねぇ。明らかな必然性というのがあまり見えてこないような気がします。コスモスの能力をコピーしたからといって、コスモスの姿形まで真似る必要はなく、カオスヘッダー・メビュート(「夢みる勇気(第29話)」、「エクリプス(第30話)」のように、まったく別の姿で実体化してもいいわけです。んま、以前からとり憑いた怪獣の姿を真似て実体化してたりしますので、矛盾はないっちゃないんですけれど、じゃあなんで人間にとり憑いた時に、人間の姿で実体化しないのかなぁ・・・って、映像的に無理なのはわかっています、はい。

 そうはいっても、「ニセウルトラマン」との戦闘シーンは面白くなります。だって、怪獣の着ぐるみに比べ格段に動きやすくなりますから、スピード感あふれる戦闘シーンが期待できるってわけです。実際の戦闘シーンは、おおむね期待通り。カオスウルトラマンは、コスモスの能力をコピーしたわけですから、コスモスとの力もほぼ互角です。互角の戦いほど面白いものはなく、しかも基本が肉弾戦。いやぁ、じっくりと楽しませていただきました。
 ただ、残念なのは、コスモスがカオスウルトラマンの光線をよけながら低空飛行でカオスウルトラマンに体当たりする映像と、光線をぶつけながら互いに近づいてくる映像でしょうか。何度も言うようですが、コンピュータ上でただウルトラマンたちを動かしても、リアリティは感じられませんねぇ。コストも手間もかかるのはわかりますが、やっぱ吊りで映像を作って欲しいもんですねぇ。
 カオスウルトラマンのデザインはと言えば、ルナの色とコロナの柄って感じですね。ルナもコロナもひっくるめてコピーしたというのを上手に表現していると思います。身体の黒ラインと目張りとで邪悪さも表現しています。それでいて、きれいな色合い。いいですねぇ。

 んじゃ、来週の宿題。たくさんありますよぉ。まずは、拉致されちゃったムサシです。カオスヘッダーの「邪悪の光」に包まれて一体どうやってコスモスに変身するんでしょうか。もしかしたら、すでにムサシとコスモスは分離してるんでしょうか。来週わくわくですねぇ。
 一度は負けたコスモスですが、最終的には勝つんでしょう。問題はその勝ち方。コスモスだけの力では勝てないってことを見せられたわけですから、来週、コスモスの力だけで勝っちゃったりしたら、さすがにちょっとご都合主義。ですから、コスモス以外の力・・・たとえばEYESや地球在来の怪獣・・・の助けを得て勝って欲しいもの。一体どうやってカオスウルトラマンに勝つのか・・・いやぁこっちも楽しみですねぇ。

 こちらは、宿題というより疑問。来週その疑問を解いてくれるかどうかが気になってるんです。それは、カオスウルトラマンがエクリプスの能力までコピーしているかどうかです。カオスウルトラマンがコスモスの能力をコピーしている以上、それはエクリプスの能力も含んでいると思うのです。しかし、カオスウルトラマンのデザインからも動きからも、エクリプスの匂いは感じられませんでした。実際どうなのか、来週の放送が気になりますねぇ。
 あー、大事なこと忘れてた、テックスピナーだよ、テックスピナー。これって「魔法の石(第35話)」でドイガキ(須藤公一)が将棋の駒からヒントを得たやつですよね。残念ながら、どてっぱらに「龍」とは書いてませんでしたけど、一体どういう応用をしたのか気になりますねぇ。カオスヘッダーの登場前に、ドイガキが説明しようとしていたようなんで、来週ちゃんと説明してくれることでしょう。つーか、ヒントを得るためにわざわざワンシーン作ったんだから、ちゃんと説明してくれないと困るんですけどね。

 他には・・・来週というより、今後気になるところ。カオスヘッダーがソアッグ鉱石が嫌いってことがわかりましたが、この鉱石を今後、どういう形でカオスヘッダー対策に使うのか。同様に、ドイガキが作ったカオスヘッダーワクチン光線(命名:ぐー)も来週以降、どういう使われ方をしていくのか気になりますね。

 今週は、カオスヘッダーについてかなりツっこんでいるのも特徴です。そう、ドイガキの講義ですね。あれくらいの情報を掴んでいないってのもEYESに負けないくらいダメな防衛軍ですが、あの講義でいろいろと考えさせられました。
 カオスヘッダーの目的は何なんでしょう。そしてその理由は?地球侵略が目的ならその理由もあるはずです。バルタン星人(「THE FIRST CONTACT(劇場版)」)も地球侵略が目的だったけれど、それは自分の星の環境悪化のため、子供達のために地球に移住するという、彼らなりの理由付けがありました。んま、地球上のウイルス達は目的も理由も認識してるわけではないでしょうから、カオスヘッダーも同じようなものとも考えられますが、ドイガキの講義によると、人間にとり憑くようになってから意志を持ち始めたとのこと。意志を持って行動する以上、目的と理由があるはずです。コスモスとムサシを敵だと認識することや、ムサシに対していろいろと話し掛けたりするあたり、意志を持っていないとできない行動ですしねぇ。一体、彼(彼等?)の行動の理由は何なんでしょう。
 うーん、私の脳みそではわかんないことばかりだなぁ。これも、来週以降少しずつ種明かしして欲しいところですね。

 というわけで、ほとんどが来週持ち越しになってる今回のレポート、やっぱ前後編モノは難しいですわ。とはいえ、冒頭に言ったようにハラハラドキドキの前編でしたから、後編がメチャクチャ楽しみですね。


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